織をお願いしているカレン族の村へ初めて行ったとき、棉の収穫から布が出来上がるまでを教えてもらおうと、気持ちが昂っていた。到着後、すぐ畑に連れて行ってもらった.


畝があって整然としている畑を想像していたら、一見普通の野原だった。

だがよく見ると棉がなっていたり、陸稲の刈り取った後があったり、バナナがあったり。収穫期の最後だったので、ちらほらと残る棉を摘んで、それと一緒にバナナをもいで、何かよくわからない葉っぱもとって、それはその夜の夕食にならんだ。


自分がお世話になっていた家には、いろんな人が来て、よく井戸端会議をしていた。誰かが来ると糸紡ぎや機織りをしていた手を止め、話が終わるとまた手を動かす。

すごいことを教わるつもりでいたら、村ではそれが日常の風景、

当たり前の毎日。

そのギャップが、その時の自分には大きな出来事だった。

 

そこが出発点になって、タイやベトナムの衣や布ものを紹介することが生業となりました。

日常のなかに綿や麻の素材感、手織りの風合い、草木染の色味が普通にあったらいいと思っています。

機会がありましたら、是非手に取っていただけたらうれしいです。

 

 小倉